「みんつまトーク vol.1」
開催レポート
2024.05.24
「みんつまトーク」開催しました!
@嬬恋フィットネススプリングフェスタ

5月5日に開催された「嬬恋フィットネススプリングフェスタ」。
この会場で、嬬恋村民の健康増進のために活動している嬬恋村役場未来創造課の大八木孝宣さんと奥様のゆかりさんをゲストに迎え、公開生トークセッション「みんつまトークvol.1」を開催しました。
会場となった東部小学校の体育館には普段クラスに参加している方をはじめ約40名の方が参加し、大八木さん夫妻のトークに耳を傾けていました。

嬬恋村への転勤
大八木さんは全国でフィットネスクラブを運営する株式会社ルネサンスの地域健康推進部所属のインストラクター。2021年10月に総務省の「地域活性化起業人」制度で嬬恋村に派遣されて2年半になります。
トークセッションでは、まず大八木さんからご自身の経歴やルネサンスのビジョンや事業展開、嬬恋村での取り組みを話してもらいました。 大八木さんは、フィットネストレーナーとしてルネサンスに入社し、その後全国の店舗でクラブマネジメントを担いながらトレーナー・インストラクターとして活動してきたとのこと。前任地の山口(徳山)からの転勤で嬬恋村への異動となりました。

持続可能なまちづくりへの支援
ルネサンスは、地域のまちづくりを支援し、2040年を見据えた持続可能なまちづくりを進めています。
地域独自の「資源」を活かし、今と未来の「真の課題」を捉え、「情熱」を起点に、「人のつながり」を通じて「環境」「社会」「経済」の活動を分断することなく、循環(繋げる)させる政策の立案と遂行の支援(伴走)行っているそうです。
スマートウエルネスシティ首長研究会で定義された「健幸」(健やかで幸せな生活)。これからの高齢化・人口減少社会において各自治体が目指すべき姿を「医学的に健康な状態のみならず、地域において社会参加している」状態とし、それを「健幸」(健やかで幸せな生活)と定義されたとのこと。
人と人とのつながりを通じて、「人の健幸」、「環境の健幸」、「社会の健幸」が相互に循環しながら3つの健幸を実現させることが、持続可能なまちづくりにつながるということでした。

嬬恋村での活動
嬬恋村での活動は、3年間のスポーツ庁補助事業を活用した嬬恋ウェルネスチャレンジを展開したり、運動・スポーツMAPを作成したりして、村民の健康増進事業に力を注いできました。
ウェルネスチャレンジに参加した40代農家の男性は体重10kg減、体脂肪率10%減を達成。現在も精力的にクラスに通っています。
このほか、参加された方の声として、
・大人になってから運動する機会が中々なかったので、指導者がいて楽しく良い環境で運動出来たことはとっても嬉しかった。嬬恋村にこういった事業ができてとても嬉しかった。
・運動ができる場所があって、指導してくれる人がいてくれたお陰で、いま、本当に健康に生活できています。もっとたくさんの人に運動の機会が必要だと思う。ぜひこの取り組みを拡大していってほしい。
・男性の参加が少なかったが、集中できるプログラムだったお陰で、気にせずに参加することができた。体重が減って筋肉も増えてきたことで、自分の体や健康について意識が向くようになった。参加してよかった。
・疲れていたり忙しかったりしても、参加したい、参加した方が調子がいいという気持ちになり、自分でも驚いている。自分ひとりではとても出来なかったと思う。指導者がいて、プログラムがあって、施設があって、初めて今回の成果があったと感じている。この取り組みが継続されることを強く希望します。
・全員が挑戦できるプログラム内容で本当に素晴らしく感激しております。今ある環境下での最高のプログラムと感じております。嬬恋生活で一番楽しみにしている時間です。
・きちんとしたトレーナーさんが指導してくれるのが魅力だった。運動は、健康づくり、ストレス発散に大変有効と思う。気軽に誰でも利用できるジムがあると嬉しい。
などの声があったことそうです。

嬬恋村でのグループエクササイズのプログラムとして、MOSSAプログラムを自治体では全国で初めて導入したそうです。また、県立嬬恋高校のトレーニングセンターを活用してトレーニングスクールも実施。年代やターゲットごとのクラスを開講しています。大八木さんの取り組みは地域を巻き込み、企業を巻き込み、仲間が増えてきています。
これらの取り組みの一つである「フィットネスフェスタ」はその取り組みが評価され、スポーツ庁の「Sport in Lifeアワード」自治体部門優秀賞を受賞しました。

嬬恋村で実現させたいこと
大八木さんは、嬬恋村にいられる期間には限りがあると言います。
嬬恋村で実現させたいことの一つに「多世代交流型コミュニティー拠点の創出」があるそうです。ジムやスタジオ、託児所、カフェ、娯楽室、ドッグランなどがあり、花見や雪遊び、マルシェ、花火大会などが実施でき、村民が日常生活の中で多世代が交流し、繋がれる場の創出。健康増進を基軸とし「人が集い、カラダとココロが喜ぶ場」の創出により包括的な課題解決と地域の自立・継続の仕組みづくりを可能とする場を創りたい。嬬恋村に来て、畑を耕し、種を蒔き、水を与えて育ててきました。これを継続していくには村民個々の思いが必要になると言います。
「何をするか」よりも「誰とするのか」「どこでするのか」
「何をするか」も大切ですが「誰とするか」が最も大切です。同じ事を成すのでも誰と共にそれを成し遂げるのか。誰と共に歩み、その過程で何を学び、経験し、結果を共に分かち合えるのか。結果がどうであったとしても、それらの全ての体験こそが自らの財産になります。これは私の持論ですが。
そして「どこでするのか」。私は近い将来、嬬恋村を離れることになります。離れたあともできる限り嬬恋村と共に伴走していきたいいう想いは今もこれからも持ち続けていきます。嬬恋村で取り組んできたことの全ては嬬恋村だからこそ実現できたことと思っていますし、嬬恋村で実現させたいからチャレンジしてきたこともあります。これからも皆さんの力を借りながら、もっともっと素敵な村を一緒に創っていけたら幸せですね。
ゆかりさんには、女性の視点で村での生活において必要だと感じることや課題だと感じていることがあるか聞いてみました。
まだまだ家事・育児ともに女性がより多くの役割を担っている家庭が多いと感じます。だからこそ女性には体も心も健康でいてほしいです。そのために運動やリフレッシュの時間は必要ですが、村内にはジムやスタジオといった運動施設がないのが現状です。村内に気軽に通える運動施設があれば、家事や育児の合間に運動時間を確保することができ、女性の心に余裕も生まれるのではないでしょうか。そうすれば、家庭円満にも繋がり、家族みんながHAPPYになると思います。こう答えてくれました。

参加者からは、「嬬恋村のことは好きですか?」「取り組みを継続していくために私たちには何ができるのでしょうか?」などの質問がありました。まだまだ聞きたいこともありましたが、トークセッションは幕を閉じました。
参加者のみなさんは大八木さん、ゆかりさんの話を聞いてどんなことを感じたでしょうか。今自分たちにできること、一緒に考えていきましょう。
次回のみんつまトークもどうぞお楽しみに。
文責 みんなの嬬恋 久保宗之